JR貨物では,公益財団法人鉄道総合技術研究所と連携して実用化を進めている「動的軌間・平面性測定装置」の走行試験を実施したと発表した.
これは,貨物駅構内におけるレールのゆがみの程度(軌道変位)を検測する際,列車の荷重がかからない状態での検測については定められた周期で測定しているが,開発中の装置の実用化により,列車の荷重がかかった状態での検測の頻度を上げ,安全性の向上を図るもの.
走行試験は,HD300形ハイブリッド機関車に装置を取り付け,2020(令和2)年2月4日(火)・5日(水)の2日間に,新鶴見機関区構内において実施された.
装置は,レールのゆがみ(軌道変位)のうち,低速走行時の脱線に影響を及ぼす軌間・平面性に特化した動的値の測定を可能とするもので,軌間はレールに帯状のレーザー光を照射し,カメラで撮影したレール形状を画像処理して検測する.また平面性は,レール形状の画像処理と角度センサを用いて検測する.
試験の結果,走行試験を実施した区間で,概ね高い精度で測定できることが確認された.今後は,実用化に向けて検測精度向上と耐久性試験を実施する.
特記以外の写真は,JR貨物のニュースリリースから