JR東日本仙台支社では,2020(令和2)年4月から管内の6路線で,線路の状態を遠隔監視できる線路設備モニタリング装置を搭載した車両の運用を開始すると発表した.
線路設備モニタリング装置は,2018(平成30)年7月からJR東日本の各線区で順次導入されており,軌道変位モニタリング装置と軌道材料モニタリング装置で構成され,営業列車の床下に搭載する.今回の導入では,東北本線・東北本線利府支線・常磐線・仙山線向けの計4編成,奥羽本線の新庄—秋田支社境までの区間向けの計4編成,仙石線向けの2編成に,それぞれ搭載される.
軌道変位モニタリング装置は,レールにレーザを照射して線路のゆがみを測定することで,年4回の電気・軌道総合検測車(East-i)による軌道検測よりも高頻度に線路状態の把握が可能になり,タイムリーに補修作業が行なえるほか,乗り心地向上や効果的なメンテナンスが期待できるとしている.また,これまで線路の補修作業の結果については,現地で保守係員が測定し評価していたが,モニタリング装置を搭載した列車が走行することで,評価が可能となる.
軌道材料モニタリング装置は,距離を測定するカメラと濃淡が分かるカメラにより,レールと枕木を固定する金具(レール締結装置)の状態やレールとレールをつなぐボルト(継目板ボルト)の状態などを撮影し,不具合を自動判定する.これにより仙台支社管内では,多いところで3週に1回の頻度で実施されていた徒歩による線路点検作業が,3ヵ月に1回の頻度に効率化できる.また,線路状態が画像などで確認できることで,不具合箇所をより確実に特定できることから,線路点検の品質向上も期待できるとしている.
写真は特記以外,JR東日本仙台支社のニュースリリースから