JR西日本は,2020(令和2)年1月25日(土),「WEST EXPRESS 銀河」を吹田総合車両所で報道陣に公開した.
「WEST EXPRESS 銀河」は,「JR西日本グループ中期経営計画 2022」の鉄道事業の事業戦略として,地域との対話と連携を通じ,観光を中心として西日本各エリアの活性化に貢献する取組の一環として準備が進められてきた.
今回公開された車両は,117系を改造した6両編成で,下り方からクロ116-7016+モハ116-7036+モハ117-7036+モハ116-7032+モハ117-7032+クロ117-7016.車番は元番号+7000で,吹田総合車両所京都支所所属の117系T02編成の一部を種車に改造している.
1号車のクロ116-7016は,グリーン車の「ファーストシート」で,16席設置されている座席は,展開することで夜仕様のベッドとすることもできる.ベッド仕様の定員は8名.運転台のうしろには,グリーン車利用者用のラウンジスペースも設置される.
2号車のモハ116-7036は,女性専用車両となり,リクライニングシート14席と簡易寝台の「クシェット」が12名分設置されている.
3号車のモハ117-7036は,普通車の指定席で,リクライニングシート20席と個室「ファミリーキャビン」2室が設置されている.「ファミリーキャビン」の定員は昼行8名,夜行4名.車端部にはフリースペース「明星」が設置されている.
4号車のモハ116-7032は,1両すべてがフリースペースで「遊星」と命名されている.テーブル付きのボックス席のほか,ベンチシート,カウンターなどが設置されている.
5号車のモハ117-7032は,簡易寝台の「クシェット」が18名分設置されている.このうち2名分は車椅子対応で,トイレと洗面台も車椅子での利用に対応したものが用意されている.
6号車のクロ117-7016は,グリーン個室の「プレミアルーム」が5室配置されている.こちらも先頭車ということで,運転台のうしろには,グリーン車利用者用のフリースペース「彗星」が設置されている.
「WEST EXPRESS 銀河」は,2020(令和2)年5月8日(金)から営業運転を開始し,9月までは,関西と山陰方面を結ぶ夜行特急列車として運転する.下りは京都21:15発→出雲市(翌)9:31着で,停車駅は京都・新大阪・大阪・三ノ宮・神戸・西明石・姫路・生山・米子・安来・松江・玉造温泉・宍道・出雲市.また,上りは出雲市16:00発→大阪(翌)6:12着で,停車駅は,出雲市・宍道・玉造温泉・松江・安来・米子・根雨・備中高梁・神戸・三ノ宮・大阪.
さらに2020(令和2)年10月から2021(令和3)年3月までは,関西と山陽方面を結ぶ昼行特急列車としての運転が予定されている.なお,夜行・昼行とも週2往復程度の運転となる.
料金は,普通車指定席とグリーン車指定席については現行の料金を適用.グリーン個室については特急料金は現行料金と変更はないが,グリーン個室料金については,「WEST EXPRESS 銀河」用に新規設定され,例えば大阪→米子間335.6kmでは7240円(このほか別途,運賃5720円と特急料金2640円が必要)となる(いずれも1名あたりの料金).乗車券類は,JR西日本インターネット予約「e5489」,「JR-WEST ONLINE TRAIN RESERVATION」のほか,全国のみどりの窓口や旅行会社窓口でも発売される.
このほか,「WEST EXPRESS 銀河」での旅を楽しめるよう,沿線の魅力ある特産品の販売や伝統芸能の披露など,車内外でのさまざまなもてなしを実施するとしている.
写真は編集部撮影 吹田総合車両所にて(資料提供・取材協力:JR西日本)