近畿日本鉄道は,名阪特急用の新形車両80000系「ひのとり」を2019(令和元)年11月20日(水)に高安検修場で報道陣に公開した.
今回,公開されたのは第1編成で,大阪方からク80101+モ80201+サ80301+モ80401+モ80501+ク80601の6両編成.今後,導入される予定の8両編成では,大阪方からク80100形+モ80200形+サ80300形+モ80700形+サ80800形+モ80400形+モ80500形+ク80600形という組成になる.車体は深い艶感のあるメタリックレッドに塗装され,先頭部はスピード感ある車体フォルムとなっている.
両先頭車両は,ハイデッカー構造による高いアイポイントと前面・側面の大形ガラスにより広がる眺望が楽しめる「プレミアム車両」で,車内は全席3列シート.後部座席の乗客に気兼ねなくリクライニングできるようバックシェルが設置され,シートピッチは日本の鉄道車両では最大級となる1300mmとなっている.
中間車4両は「レギュラー車両」で,明るく調和のとれたインテリアデザインとし,こちらも全席にバックシェルが設置されている.シートピッチは近鉄のレギュラー車両としては最大の1160mm.
サービス設備として,さまざまな用途で利用できるベンチスペースやカフェスポットが用意されているほか,3号車には喫煙室が設置されている.
「ひのとり」は,2020(令和2)年3月14日(土)の営業運転開始時点で6両編成×3編成を先行して導入し,名阪特急のうち平日12本,土休日12本の合計24本に充当する.その後,2020(令和2)年度中には6両編成×8編成と8両編成×3編成の全11編成(計72両)の体制として,大阪難波駅・近鉄名古屋駅毎時0分発ほか,停車駅の少ない名阪特急のすべてが「ひのとり」で運転される予定.
写真はいずれも編集部撮影(取材協力:近畿日本鉄道)