阿佐海岸鉄道では,導入に向けて準備が進められていたDMV(デュアル・モード・ビークル)3台が揃ったことから,2019(令和元)年10月5日(土),徳島県海部郡海陽町の「阿波海南文化村」と高知県安芸郡東洋町の「海の駅東洋町」で,『DMV3台完成記念イベント』が行なわれた.
阿佐海岸鉄道が導入するDMVは,1号車が青色の「未来への波乗り」,2号車が緑色の「すだちの風」,3号車が赤色の「阿佐海岸維新」で,塗装デザインと愛称は一般募集により決定したもの.
3台とも,マイクロバスをベースに改造したもので,車体は全長8060mm,重量5850kg,定員23名(運転士1名,座席18名,立席4名)となっている.運転席は一般的なバスの運転席にある装備に加えて,鉄道の線路上を走行するために必要な保安装置が設置されている.
バスモードから鉄道モードへのモードチェンジは,道路と線路をつなぐ「モードインターチェンジ」上で行なわれ,10秒から15秒で完了する.車体前後に備えられた鉄車輪を下ろして,前のタイヤを浮かせてレール走行に移る.レール走行時には後ろのゴムタイヤが駆動輪となる.今回のイベントでは,モードチェンジのデモンストレーションも行なわれ,浮かせる様子が披露された.
営業運転では,阿波海南—甲浦間を鉄道モードで走行,阿波海南・甲浦でモードチェンジを行ない,バスモードで観光地などを巡る予定.
写真はいずれも阿波海南文化村にて 松本洋一撮影 取材協力:徳島県・阿佐海岸鉄道