京阪電気鉄道は,八幡市—男山山上間を結ぶ鋼索線の車両デザインを一新し,2019(令和元)年6月17日(月)に報道関係者に公開した.
鋼索線で使用されている車両は,2001(平成13)年に導入されたもので,今回は,巻上装置の制御装置および誘導無線の更新,索条(ロープ)の交換などのリニューアルを実施し,車両デザインについても石清水八幡宮らしさを表現したものに変更された.
2両ある車両を「太陽」と「月」に見立て,1号車には「あかね」,2号車には「こがね」の愛称が導入された.外観デザインは,「あかね」は「陽(赤)の遣い」,「こがね」は「月(黄)の遣い」をコンセプトとし,それぞれが発するひかりを表現.石清水八幡宮の社殿,京阪特急伝統のツートンカラーの組合せをモチーフとしている.車両の前面には石清水八幡宮を象徴する2つの要素(神のつかいとされる「阿吽の鳩」・御神紋「流れ左三つ巴」)をモチーフとしたブランドシンボルマークが配置されている.なお,愛称の書体は,石清水八幡宮の田中恆清(たなか つねきよ)宮司により描かれたもの.
内装については,外装デザインと同様,赤と黄の色相をモチーフに,扉,座席を左右で切り替えるデザインとし,出入口方向の案内機能も考慮する.扉の柄には,石清水八幡宮のつがいの鳩と男山の青竹をイメージしたオリジナルの紋を配し,座席表地にはオリジナルの霞文様を採用.外装・内装で一貫性のある世界観を表現する.
新デザインの車両は,2019(令和元)年6月19日(水)から営業運転を開始する予定で,10月1日(火)からは,鋼索線の通称・駅名が変更される予定.通称については,現在の「男山ケーブル」から「石清水八幡宮参道(いわしみずはちまんぐうさんどう)ケーブル」とし,駅名は,八幡市駅を「ケーブル八幡宮口(はちまんぐうぐち)」駅に,男山山上駅を「ケーブル八幡宮山上(はちまんぐうさんじょう)」駅へとそれぞれ変更し,駅舎ファサードの美装化も行なう.なお,10月1日(火)日には京阪本線の八幡市駅も「石清水八幡宮」駅に名称が変更される.
写真はいずれも松本洋一撮影(取材協力:京阪電気鉄道)