JR東日本では,水素を燃料とするハイブリッド試験車両としてFV-E991系を製造すると発表した.
JR東日本では,グループの経営ビジョン「変革2027」において,ESG経営として「エネルギーの多様化」を目指しており,その一環として水素エネルギーの利活用を推進しているため,新たに試験車両を製造するもの.
「FV-E991系」は2両1編成(1M1T)で,2021(令和3)年度内の落成を予定している.水素を燃料とすることで,将来にわたり安定的にエネルギーを確保するエネルギーの多様化の実現や,CO2排出量の削減などのメリットがある.
また,安全性・環境性能・車両性能などを確認するため,実使用環境下での走行試験を,鶴見線・南武線(尻手支線,尻手—武蔵中原間)で実施する.2021(令和3)年度の試験開始を目標とし,燃料電池制御技術の最適化や,地上設備に関する技術開発項目の検討など,将来の燃料電池車両実用化に向けたデータを収集する.あわせて,JR東日本と神奈川県,横浜市,川崎市とが連携し,実証試験に向けた環境整備などを行なう.
なお,2019(令和元)年6月には,JR東日本・JR貨物・昭和電工の3社で実証試験にともなう設備整備に関する基本合意を締結したほか,2018(平成30)年9月にJR東日本とトヨタ自動車との間で締結した「水素を活用した包括的な業務連携に関する基本合意」にもとづき,鉄道車両への燃料電池技術導入に向け,両社の協力体制を整える.
写真はいずれもJR東日本のニュースリリースから