横浜市では川崎市と協調し,横浜市営地下鉄ブルーライン(3号線)の延伸事業(あざみ野—新百合ヶ丘間)について,事業化を進めると発表した.
両市においてはこれまでに事業計画について合意形成を進めてきたが,同事業の整備効果,延伸区間の費用対効果及び採算性が認められると判断したことから,今後,事業許可に向けて,国や関係者との協議・調整を進める.また,両市が相互に連携・協力し,早期開業を目指すことを目的として,覚書を交換した.
延伸区間は,横浜市交通局が事業主体として,横浜市営地下鉄あざみ野駅(横浜市青葉区)から小田急線新百合ヶ丘駅南口付近(川崎市麻生区)までの約6kmの区間となる.同区間には,新たに4駅を設置し,交通政策審議会答申の目標年次である,2030年の開業を目指す.
延伸の整備効果として,鉄道のネットワークが充実することによる広域的な交通利便性の向上や,新幹線へのアクセス機能が強化されるとともに,新駅設置による利便性の向上や,駅周辺まちづくりなど,沿線地域の活性化が期待されている.
横浜市側のルートについては,道路下などの公有地を有効活用し,既設のあざみ野駅から横浜・川崎両市の市境となるすすき野付近まで,駅位置については,嶮山付近と,すすき野付近を基本とする.川崎市側のルートについては,中央を通るルート,西側を通るルート,東側を通るルートの3案を設定.今後,市民へ情報提供を行ない,意見を集め,2019(平成31)年度中をめどに1案に選定する予定.
横浜市は,今後,国や関係者との協議・調整を進めるとともに,鉄道事業法や都市計画,環境影響評価などの手続きを経て,早期の事業着手を目指すとしている.