住友商事は,三菱重工グループの三菱重工エンジニアリングをパートナーとして,フィリピン共和国マニラ都市圏における都市鉄道Manila Metro Rail Transit System 3(以下:MRT3号線)の改修とメンテナンスプロジェクトを,フィリピン共和国運輸省(以下:DOTr)から受注したと発表した.
MRT3号線は,住友商事がMHIENG(当時の三菱重工業,以下:MHI)をパートナーとして,都市交通システム一式(高架構造物・駅・レール・信号・通信・変電設備・架線・車両基地・電車)を含む全長17km・総駅数13駅を建設したプロジェクトである.当時,日本輸出入銀行(現:国際協力銀行)が輸出信用を供与したほか,車両部分にチェコ輸銀が輸出信用を供与した.2000(平成12)年に全線開業して以来,十数年にわたりマニラ市民の移動手段として活用されてきた.
2012(平成24)年までは住友商事が,MHIと三菱重工グループのTES Philippines Inc.(以下:TESP)をパートナーとして,メンテナンス契約を請け負っていたが,以降はシステムの老朽化やメンテナンスパーツの調達が滞るなどの事由により,システムの稼働率が低下していた.
本プロジェクトにおいてはTESPもパートナーに加わり,老朽化などにより稼働率が低下した車両や設備一式を,通常運行を妨げることなく大規模に改修し,安全で効率的な路線への復旧を目指す.また,改修完了後も高い稼働率を継続維持するために,安全なメンテナンス体制も新たに構築する.着工は,2019(平成31)年1月で,2022年7月に完工する予定(契約期間43ヵ月).契約金額は,約355億円で,DOTrは,国際協力機構による円借款により資金調達する.
写真はいずれも住友商事提供