NTTドコモと東武鉄道は,2018年11月12日(月)・16日(金)に,栃木県日光市の東武鬼怒川線で運転している「SL大樹」で,4.5GHz帯および28GHz帯の両周波数帯における第5世代移動通信方式(以下:5G)を用いた映像伝送の実証実験を行なったと発表した.
これは,次世代のICT基盤インフラとして期待される5Gの研究開発を進めるドコモと,日光・鬼怒川エリアの活性化策として,2017(平成29)年に蒸気運転を復活させた東武鉄道が協力し,5Gを活用した観光地における新たな観光コンテンツ創出をめざした実証試験として実施されたもの.
実験は,東武鬼怒川線沿いの鬼怒川橋りょう付近に5G通信エリアを構築し,列車が5G通信エリアを通過する間に,橋りょうから8Kカムコーダーで撮影した蒸気機関車のライブ映像を客車に向けて5Gで伝送.これにより,将来的に「SL大樹」の利用客に対して,乗車中の客車を力強くけん引する蒸気機関車の勇姿を,超高精細ライブ映像で楽しむ新観光体験ができるとしている.
また,4K映像コンテンツ配信システムを用いて,蒸機が同5G通信エリアを通過する間に,多数の4K映像ファイルを客車内へ一括伝送し,複数のスマートフォンやノートPCに対して配信する試験にも成功した.
なお,試験の成果は,2018(平成30)年11月28日(水)から30日(金)までパシフィコ横浜で開催される『Microwave Workshops & Exhibition 2018』と,12月6日(木)・7日(金)に東京ビッグサイトで開催される『DOCOMO Open House 2018』で展示される.