JR九州は,2018(平成30)年10月5日(金),821系とYC1系を南福岡車両区竹下車両派出において報道陣に公開した.
今回公開されたのは,821系U002編成(クモハ821-2+サハ821-2+クハ821-2)と,YC1系YC1-1+YC1-1001で,両形式とも「やさしくて力持ちの鉄道車両」をコンセプトに開発された近郊形タイプの車両.
821系近郊形交流電車は,最新技術のフルSiCを採用した主回路システムの搭載により,既存の415系電車と比較して消費電力量を約70%低減.また,主変換装置(CI)や補助電源装置(SIV)の冗長性(信頼性)により安全・安定輸送を確保する.
車内はロングシートで,1人あたりの腰掛座面幅を拡大.車いす・ベビーカー用のスペースが1編成あたり2ヵ所に設置されている.
YC1系は,JR九州では初めての蓄電池搭載形ディーゼルエレクトリック車両で,形式名の「YC」は開発コンセプトでもある「やさしくて力持ち」のローマ字表記「YASASHIKUTE CHIKARAMOCHI」の頭文字から取られたもの.
車内はロングシートを中心に,一部には4人掛け・2人掛けのボックスシートを配置.ボックスシートにはテーブルも用意されている.
821系は南福岡車両区,YC1系は佐世保車両センターに配置され,両形式とも,量産に向けた試運転が続けられている.
写真はいずれも編集部撮影(取材協力:JR九州)