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小田急,複々線完成後のダイヤ改正による通勤・通学への効果を発表

小田急4000形

小田急電鉄は,小田急線代々木上原駅—登戸駅間(11.7km)の複々線完成と,あわせて実施したダイヤ改正による朝の通勤・通学への効果について結果を発表した.
 データは2017(平成29)年4月から6月と,2018(平成30)年4月から6月を比較したもので,混雑率のみ,ダイヤ改正前の2016(平成28)年度の実績と,ダイヤ改正後の2017(平成29)年度の輸送力から比較している.
 ダイヤ改正では,混雑緩和を目的としたラッシュピーク時の列車増発や,所要時間の短縮を目的とした朝通勤時間帯の快速急行増発と,多摩線からの通勤急行を新設を実施.また,ダイレクトアクセスの強化として,都心方面への東京メトロ千代田線直通列車や江ノ島線・多摩線から新宿への直通列車を増発した.朝方のロマンスカーについては“モーニングウェイ”号・“メトロモーニングウェイ”号として計11本増発した.
 その結果,ラッシュピーク時の平均混雑率が151%に低下し,首都圏の主要区間の混雑率は,2016(平成28)年度のワースト3位から,20位圏外まで改善.ラッシュピーク時の新宿への所要時間が最大で14分短縮され,さらに下北沢駅への上り到着の平均遅延は,前年同期比で1分以内にまで改善.遅延時間や回数も減少した.
 また,小田急線通勤定期の利用人員は,前年同期比で1.4%増加し,特に,沿線各地と都心3駅(新宿,代々木上原,下北沢)間の通勤定期利用人員は同2.9%増加した.定期外利用においては,全線で同1.3%,沿線各地と都心3駅間で3.3%増えた.
 朝方の“モーニングウェイ”号・“メトロモーニングウェイ”号は増発後も,ほぼ満席で推移しており,乗車人員は前年比約6割増となる約35.4万人となった.また,一般車についても,小田急多摩センターや藤沢など,途中駅からの始発列車を新設・増発した結果,ダイヤ改正前よりも着席通勤の機会が増えている.
 列車種別ごとの混雑率が各種別において減少しており,快速急行などの混雑率が高い一方,通勤準急や各駅停車ではゆったりと通勤・通学が可能となっており,今後,2018(平成30)年度中に実施予定のダイヤ改正において,新宿—代々木上原間の各駅停車の一部を10両化する計画で,一層の混雑の緩和を見込んでいる.
 このほか,グループのアンケートサイト「Ideaパレット」会員に,複々線化後の小田急線の利用についてのアンケートを,2018(平成30)年7月から8月にかけて実施した.その結果,半数以上の利用者に,小田急線の朝の通勤・通学利用において,「混雑」「所要時間」「遅延」が減少したとの結果が得られた.

写真:小田急4000形  編集部撮影  唐木田車庫にて  2007-6-14(取材協力:小田急電鉄)

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