川崎重工は,同社の米国現地法人Kawasaki Rail Car, Inc.(以下KRC)を通じて,ニューヨーク・ニュージャージー港湾局トランスハドソン公社(Port Authority Trans-Hudson Corp/以下PATH)から,通勤電車「PA-5」72両の追加製造および現在運行中の「PA-5」350両のオーバーホール工事を受注したと発表した.
「PA-5」は1編成8両のステンレス製.2009(平成21)年から2012(平成24)年にかけてKRCが納入した車両で,ニューヨークとニュージャージーを結ぶ通勤路線で営業運転されている.また,「PA-5」の高い信頼性を長期的に維持していくことを目的とし,KRCがオーバーホールを担当する.「PA-5」の累計受注両数は422両となり.現在PATHで運用する電車はすべてKRC製となる.
PATHでは,継続する米国の経済発展にともなう利用者の急増への対応を行なうなかで,KRC製の「PA-5」が快適な乗り心地と高い信頼性で利用者から高く評価されていることから,追加製造およびオーバーホール工事の発注が決定した.
受注総額は約240百万米ドル(約266億円)で,追加車両は構体製作をネブラスカ州にあるリンカーン工場(Kawasaki Motors Manufacturing Corp., USA)で,機器取付・最終組立および機能試験をリンカーン工場とニューヨーク州にあるKRCヨンカース工場の2ヵ所で行ない,2021年から2022年にかけて納入する予定.また,350両のオーバーホールは,ヨンカース工場で2018(平成30)年から2024年の6年にわたり順次実施する.
写真:川崎重工のニュースリリースから