JR東海は,東海道新幹線において老朽取替の対象となる電力ケーブルの取替え作業について,ケーブル取替え専用の保守用車を導入すると発表した.
東海道新幹線では,列車の走行に必要な電気を供給するため,富士川以東の区間では電力会社から受電した50Hzの電気を,周波数変換変電所で60Hzの電気に変換し,線路脇の管路内に敷設された電力ケーブルなどを経由して沿線の変電所に送電している.
重量物であるケーブル(写真)を人手で切断・撤去・敷設する作業には危険をともない,切断したケーブルを1つ1つ人手で運搬する必要があり,作業効率が低いものとなっていた.今回導入されるのは,撤去作業に使用するケーブル切断撤去車,撤去ケーブル運搬車と,敷設作業に使用するケーブル延線車で,新製費用は約2億5000万円.一部の作業を機械化することにより,施工の安全性と作業性の向上を図る.
ケーブル切断撤去車は,毎分6mの速度で走行しながら自動でケーブルを切断し,ケーブル切断撤去車と連結された撤去ケーブル運搬車は,切断されたケーブルを積み込む.ケーブル延線車は,毎分6mの速度で走行させながら,線路脇の管路に電力ケーブルを収めるもので,カントがある場所でも水平を保つ機能が搭載されている.
今回は,綱島周波数変換変電所—大崎変電所間,約13.8kmの2回線分,約27.6kmのケーブルを取り替える計画で,ケーブル取替えにかかる総額は約77億円となっている.2018(平成30)年1月に測量設計を開始し,2023年9月までに取替えを終える予定.
写真:JR東海のニュースリリースから