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和歌山電鐵×ヤマト運輸,鉄道を利用した「客貨混載」を2月16日から開始

伊太祈曽駅で行なわれた記者会見.左からヤマト運輸常務執行役員関西支社長北村 稔氏,和歌山電鐵代表取締役社長小嶋 光信氏,和歌山運輸支局支局長山寺 康人氏

伊太祈曽駅で行なわれた記者会見.左からヤマト運輸常務執行役員関西支社長北村 稔氏,和歌山電鐵代表取締役社長小嶋 光信氏,和歌山運輸支局支局長山寺 康人氏

オリジナルステッカーを貼付した集配コンテナが使用される

オリジナルステッカーを張り付けた集配コンテナが使用される

和歌山電鐵とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸は,2018(平成30)年2月16日(金)から,ローカル電車の路線網維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的として,同電鐵の田中口—神前間の電車で宅急便を輸送する「客貨混載」を開始すると発表した.なお,物流総合効率化法(物効法)の改正後,宅配便の個別配送の一部を担うのは,今回が国内初となる.
 和歌山電鐵との「客貨混載」では,ヤマト運輸の社員2名が,和歌山太田センターで荷物を集配コンテナに積み込んだあと,和歌山電鐵の田中口駅へ向かい,電車に荷物を積み込む.ヤマト運輸社員も電車に乗り込んで出発(田中口7:15発)し,神前駅で下車.駅に到着後は,集配コンテナと自転車をドッキングした「リヤカー付き電動自転車」で神前地域に向かい,集配を開始する.これにより,地域住民にとっては,和歌山電鐵の路線網が維持され,安定的に利用できることで,通学や通院など生活基盤の維持・向上につながるほか,神前地区での配達開始時刻が3時間早まるため,在宅時に荷物を受け取りやすくなる.
 和歌山電鐵では,「電車の空きスペースを活用して宅急便を輸送することで,電車の路線網維持につながる新たな収入源を確保できる」としている.またヤマト運輸では,「神前地区は住宅が密集しているため,リヤカー付き電動自転車を利用することで安全性が高まるとともに集配効率が上げることができるほか,配達開始時間がこれまでの11時から8時に繰り上がるため,サービス品質の向上と再配達削減による労働環境の改善が見込める.また,トラックの走行距離が削減されるため,燃料費やCO2排出量の削減にもつながる」としている.
 今後は,和歌山電鐵の各駅にオープン形ロッカー「PUDOステーション」の設置や手荷物預かり,手荷物配送サービスの提供や,県産品の販路拡大に向けた活用も検討し,地域住民の利便性向上や観光振興に取り組む予定.

写真:ヤマト運輸のニュースリリースから

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