11月1日発表の小田急ダイヤ改正については既報のとおりだが,会見の場で挙がった話題から二つ記しておきたい.
そもそも3月実施のダイヤ改正の発表は,12月に行なう場合が多い.それを11月に早めた理由は,話題性とともに,「選ばれる路線」になりたい意向が含まれている.小田急線の近隣では,京王や東急が都心と郊外を結んでいるほか,登戸でJR南武線と,町田でJR横浜線と交わる.改正が行なわれる3月は,新年度に向けて引っ越しする人や,事業所の移転が増える時期であり,新生活の場に小田急沿線を選んでもらうためには,12月では遅い場合もある.小田急線が便利になることを,今のうちから知らしめる目的もあって,11月初めの公表となった.
ロマンスカーの停車駅では,向ヶ丘遊園と新松田が除外される.たとえば,両駅に停まる朝の下り“はこね”2本は,新ダイヤでは通過に変わる.新宿—小田原間において,ついに1時間を切るロマンスカーが土休日に誕生し,新形70000形のデビューも予定されているなか,特急車7000形「LSE」車は,70000形が誕生した後に運行をやめる方向で検討している...との回答があった.ただ,いつなのかといった具体的な道筋は未定とのこと.車両面では通勤形よりロマンスカーの話題が多いが,ダイヤ改正によって消える種別と行き先の組み合わせなど,複々線を行き交う通勤列車にも注目しておきたい.
写真は,会見で発表された運転士,車掌,駅係員の新しい制服.来春のダイヤ改正を機に着用が始まりイメージアップされる(ロマンスカーの乗務員については除く).
(取材:大沼一英)
写真:小田急の新しい制服 大沼一英撮影 2017-11-1