京王電鉄は,2018(平成30)年春から有料の座席指定列車の運転を開始し,この列車用の新形車両として5000系を導入すると発表した.
5000系は,クロスシートからロングシートへ転換できる座席を採用し,座席指定列車の時はクロスシート,そのほかの時はロングシートにして運転する.外観はシャープな正面形状を採用し,既存車両との違いを明確にするとともに,正面のカラーリングに黒を用いることによりスマートな列車を表現する.消費電力の削減を図るため,新形VVVFインバータ制御装置やLED照明,新技術の車上蓄電池システムが採用される.内装は沿線にある「高尾山」の木々の深いブラウンと,「繊維の街・八王子」の 絹糸をモチーフに華やかな室内空間を表現し,上質さを演出する.クロス・ロングシートのどちらの状態でも画面が見やすいよう,ドア上に加えて天井部にも液晶画面を用いた車内案内表示器が設置され,空気清浄機や無料公衆無線LAN,電源コンセントなどの各種装備が搭載される.車いすやベビーカーを利用する乗客向けに,各車両に車いすスペース・ベビーカースペースが設置される.
5000系は10両固定編成が5本導入され,総合車両製作所が製造を担当する.座席指定列車は,平日・土休日の夜間帰宅時間帯に,新宿発京王八王子行き,新宿発橋本行きが運転される予定で,料金などは今後発表される.
写真:京王5000系のイメージ(京王電鉄提供)