本誌2009年5月号に掲載された大熊孝夫氏著作『雪国を駆け抜ける「スノーラビット」』が,定期刊行物部門で,島秀雄記念優秀著作賞を受賞し,2010(平成22)年10月10日(日)にアルカディア市ヶ谷で同賞の贈呈式が執り行なわれました.
この賞は鉄道友の会(会長・須田寛)が趣味的見地に基づいて鉄道分野に関する優れた著作物,または著作物に関わる功績を選定し,鉄道および鉄道趣味の発展に寄与することを目的として,2008年から創設したもので,選考委員会(西野保行委員長)を設置して募集,選考を進めてきたものです.同記事の選出事由は以下のとおりです.
「この作品は,JR東日本とJR西日本を結ぶ連絡鉄道としての役割を果たしている北越急行について,その乗入用の特急形電車(681・683系)を中心に紹介した著作です.著者は,その当事者として,特に車両の乗入れにあたっての苦労話など,エピソードを交えながらファン向けに紹介しています.異なる鉄道会社に乗入れる車両を設計するために,どのようなことを考慮し,どのような工夫が必要で,どのようなプロセスでこれを実現したのか,鉄道ファンが知りたいと思う内容が,貴重な資料とともに語られています.また,写真の質や選定も申し分なく,行き届いた文章とともに,完成度の高い作品として選定しました.」(原文どおり).
なお,このほかに,単行本部門では和久田康雄氏「日本の市内電車」(成山堂書店),関崇博氏「門鉄デフ物語」(ネコ・パブリッシング),奈良崎博保氏「九州を走った汽車・電車」(JTBパブリッシング),宇都宮照信氏「食堂車乗務員物語」(交通新聞社),また,今回は特別部門として,「日本鉄道旅行地図帳」の刊行に対して,発行元の新潮社が栄えある同賞を受賞しました.
集合写真は前列が受賞者の方々(右から三人目が大熊氏),表彰盾を手にする喜びの大熊氏.