最近，大手私鉄1社を採り上げて，その魅力を一冊に凝縮したシリーズ本をよく見かけるようになりました．今回ご紹介する書籍は，東武鉄道の駅をすべて紹介，解説しているものです．駅の写真もかならず掲載されていますが，駅によっては，今は見ることができないなつかしい光景をとらえたものがあり，往時の東武鉄道で大いに活躍し，現在までに職務をまっとうして消えていった車両もたびたび登場しています．貴重な古地図で現在とは大きく違う当時の街並みを探ることもできます．さらに，折に触れ，東武鉄道に関する雑学的な知識を得ることができたり，同社の長い歴史のなかの興味深い事柄に焦点を合わせたコーナーもあり，巻末には，車両の解説や，すでに廃止となった路線の紹介があります．これは私鉄の愛好者や，東武鉄道沿線に縁のある方々には見逃すことができない一冊です．

著者	杉崎行恭
発行	洋泉社
仕様	四六判 224ページ（オールカラー）
定価	本体1500円＋税
発売日	2015年7月 8日
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鉄道ファン2015年10月号掲載｜ 洋泉社の記事一覧