キャンブックス．名古屋鉄道と言えば，「パノラマカー」として親しまれた7000系や7500系の姿を連想される方は少なくないことでしょう．しかし，以前の名古屋鉄道では，「パノラマカー」と同等の走りを見せた高性能車両，5000系（初代），5200系，5500系が存在しました．これらは「SR車」と呼ばれるグループに位置付けられ，このうち，5000系（初代）はスマートな車体が印象的で，同社初の高性能電車として意義のあるものでした．同系の改良形にあたる車両が5200系で，さらに「日本初の大衆冷房車」として知られている5500系が登場しました．5500系に至っては，非常に長きにわたり活躍しました．本書は，中部の鉄道，ことに名古屋鉄道に関する著書を数多く手がけられた徳田耕一氏が，これら各系列の車両の活躍ぶり，変せんを詳細にまとめた一冊になっています．いずれの車両も，時期により姿が微妙に変わっていますが，それについて，大量に収録された写真で振り返ることもできます．5000系（初代）と5200系の機器を流用したかたちで登場した5300系，同系と同様の車体とともに新製された5700系による「新SR（NSR）車」の活躍や車両解説も盛り込まれ，徳田氏のこだわりが結集された一冊となっていますので，これは名古屋鉄道の愛好者，私鉄の愛好者は，見逃すことができません．

著者	徳田耕一
発行	JTBパブリッシング
仕様	A5判178ページ
定価	本体1800円＋税
発売日	2015年8月25日
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