本書は，これまで鉄道史で空白になっていた，戦後の占領期における連合軍専用客車の全ぼうが明らかになった，じつに画期的な一冊としてご紹介します．当時，軍用客車の車内は立ち入ることはもちろん，その撮影も禁止されていたため，写真は残っていないものと考えられてきました．ところが，連合軍に接収された主要な客車の外観，そしてアメリカ軍の仕様に改造された車内の写真が，JTBパブリッシング社の倉庫から大量に発掘されたとのことで，これらに鉄道省から受け継がれたたいへん貴重な資料を交えたかたちで，本書の刊行に至ったわけです．発掘された写真の数々は，占領施策の実態をアメリカの議会に報告するために運輸省の委託を受けて撮影したと言われるカラーの写真で，たいへん貴重なものであることは言うまでもありません．さらに，鉄道画家で本誌『月刊鉄道ファン』の編集長も務めた黒岩保美氏による，客車の車内の細密な透視画が，カラーの観音開き，8ページにわたり収録されているほか，車内平面図が付いた軍番号の車種別の解説も掲載されています．占領期の鉄道輸送の経緯もわかります．購入を希望する方は，お買い逃しのないようにしてください．

著者	中村光司
発行	JTBパブリッシング
仕様	B5判 256ページ
定価	本体2800円＋税
発売日	2015年3月13日
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■電子書籍（電子判） ※電子書籍の価格は取扱い店舗により異なります．
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