東武博物館では，特別展「なつかしの日光軌道」を，2010（平成22）年10月23日（土）から2011（平成23）年1月10日（月祝）まで開催します．
　東武鉄道日光軌道線の前身である日光電気軌道株式会社が，1910（明治43）年8月10日に日光—岩の鼻間を開業してから，2010年で100年となります．古河電工日光精銅所の貨物輸送を主目的に，日光の観光客輸送のために開業しました．1913（大正2）年10月15日，馬返まで全線開通，終点の馬返は標高838mで日本の路面電車が到達した最高地点でした．昭和に入り東武鉄道は日光軌道を系列化し，1929（昭和4）年東武日光線を開通，日光ケーブルカー（馬返—明智平間）・日光ロープウェイ（明智平—展望台間）など日光観光の交通網を掌握しました．1947（昭和22）年，東武鉄道は日光軌道を合併し，戦後の観光ブームに対応し，国際観光都市日光にふさわしい新特急を1951（昭和26）年から東武日光線に次々と就役させました．日光軌道も，大形車を投入しましたが，第一・第二いろは坂の完成に続くモータリゼーションの影響で旅客数，また貨物数が激減し，ついに1968（昭和43）年2月24日限りで廃止となりました．日光を走った路面電車の58年間の歴史を写真や資料で紹介します．