列車の愛称を表示するとともにより親しみやすいようにイラストを加えた「トレインマーク」.これは,鉄道関係者や鉄道ファンを中心に常用的に使われてきた言葉で,列車の先頭部に取り付けられているマークを「ヘッドマーク」,最後部に取り付けられているマークを「テールマーク」,これらを総称して「トレインマーク」と呼ばれてきました.
この歴史は,1929(昭和4)年9月に特急列車に「富士」「櫻」の愛称が採用され,同年11月にテールマークを制定し,12月に両列車の最後部に取り付けたことにさかのぼり,2009(平成21)年に80周年の節目を迎えます.
戦後,特急・急行列車が次々と登場し,列車愛称とともにヘッドマークも次々と誕生します.運用本数や区間,車両製作技術の発達,業務の合理化などさまざまな要因に対応するため,マークの形状・素材,表示方法は新形車両の登場とともに創意工夫されて展開してきました.
当初のトレインマークは手作りで,手作業で着脱されていましたが,昨今では効率化・機械化・IT化が進み,車体にLED(発光ダイオード)パネルが内蔵され多色化し,ボタンひとつでさまざまな表示をすることができるようになりました.さらには,特定列車に専用の車両を使うことが定着して,車体そのものに列車名やシンボルマーク,ロゴマークを描くものもあります.また,イベント列車・記念列車への掲示機会は盛んであり,今なお多くの方々の関心と注目を集めています.
本展覧会では,トレインマークを「列車の愛称をデザイン的な配慮を加えて表示したもの」ととらえ,誕生から今日に至るまでの80年の軌跡と,マークが決定するまでのプロセス,気候,地域や列車の運行などの要素によってうまれたさまざまな機能の工夫などを,初出の資料を交えみなさまに紹介します.
写真:旧新橋停車場 大沼一英撮影(取材協力:東日本鉄道文化財団)
※写真はイメージです.
開催期間 | 2008(平成20)年12月9日(火)〜2009(平成21)年3月29日(日) 11時〜18時(入館は閉館の15分前まで) ※会期中,一部展示替えあり |
休館日 | 毎週月曜日(ただし祝日の場合は開館,翌日休館) 年末年始(12月29日〜1月3日) |
会場 | 旧新橋停車場 鉄道歴史展示室 (〒105-0021 東京都港区東新橋1-5-3) |
会場への交通 | JR新橋駅下車,徒歩5分 都営大江戸線汐留駅下車,徒歩3分 |
入場料 | 無料 |
監修 | 佐藤 美知男(財団法人 交通文化振興財団 専任学芸員) |
主催 | 財団法人 東日本鉄道文化財団 |
後援 | JR東日本 |
問合せ先 | 旧新橋停車場 鉄道歴史展示室 電話:03-3572-1872 |