西武鉄道・東京急行電鉄・相模鉄道は,国土交通省鉄道局の鉄道技術開発費補助金の支援を受け,新形ホームドアの実証実験を行なうと発表した.
西武鉄道では,東京大学と神戸製鋼所が共同で開発を進めてきた戸袋移動形ホーム柵「どこでも柵®」を新所沢駅1番ホーム上り方に1両分を設置する.車両の扉の数が異なる場合でも,戸袋が移動することにより開閉扉の対応を可能とする鉄道の駅用ホーム柵で,定位置停止装置を導入しなくてもホームドアなどを設置できることも,投資費用の大幅削減という観点から大きな利点となる.試験期間は2013(平成25)年6月ごろから8ヵ月間の予定.
写真:新所沢駅に設置される「戸袋移動形ホーム柵」のイメージ(西武鉄道ニュースリリースから)
東京急行電鉄では,日本信号が開発を進めている「昇降スクリーン式ホームドア」を,2013(平成25)年夏ごろから田園都市線つきみ野駅下りホーム全長200mに設置.このホームドアは,約10m間隔で設置した柱間に張られたワイヤロープが列車の到着・出発に合わせて昇降するタイプで,扉数の異なる車両が混在している路線への導入やシンプルな構造とすることで導入コストの低減を目指している.
写真:つきみ野駅に設置される「昇降スクリーン式ホームドア」の,ホームドア下降時とホームドア上昇時のイメージ(東京急行電鉄ニュースリリースから)
相模鉄道では,高見沢サイバネティックスが開発を進めてきた「昇降式ホームドア」を,2013(平成25)年秋から約1年間,相鉄いずみ野線弥生台駅下り(湘南台方面)ホーム横浜方に1両分を設置する.この「昇降式ホームドア」は,これまで課題であった設置にあたってのコスト低減に対応する新たなホームドアとして開発を進めているもので,従来のホームドアの開口部分を昇降式のバーとすることで,ホームドアの軽量化を図っている.
写真:弥生台駅に設置される「昇降式ホームドア」のイメージ(相模鉄道ニュースリリースから)