▲台湾高鐵向け新形高速鉄道車両「N700ST」
日立製作所・東芝などで構成されるHitachi Toshiba Supreme Consortium(HTSC)は,臺灣高速鐵路股份有限公司(台湾高鐵)向けの新形高速鉄道車両「N700ST」の第1弾となる1編成(12両)の製造を完了し,日立の笠戸事業所から台湾に向けて出荷したと発表した.
▲「N700ST」ビジネスクラス車両
今回出荷された車両は,HTSCが2023(令和5)年5月に台湾高鐵から受注した12編成(144両)のうちの最初編成.
「N700ST」は,JR東海の最新形新幹線車両「N700S」をベースとし,台湾高鐵の運行環境やニーズにあわせて設計された.1編成あたりの長さは約300mで,最高時速300kmで営業運転を行なう.
先頭車両の形状によりトンネル進入時の抵抗を低減したほか,炭化ケイ素(SiC)デバイスと走行風冷却システムを組み合わせた駆動システムを採用することで,機器の小形軽量化と電力消費量の削減を実現している.
架線停電などの非常時に備え,東芝のリチウムイオン電池「SCiB」を用いた自走バッテリ装置を搭載しており,安全な場所までの移動や車内設備の維持に活用される.
▲「N700ST」標準車両のイメージ
外観は白を基調とし,台湾高鐵のコーポレートカラーであるオレンジと,現行の「700T」で用いられている黒のラインを組み合わせることで,連続性を継承しながら,新世代高速鉄道車両としての先進性とスピード感を表現している.
車内は,標準車両にリクライニング時に座面が沈み込む座席,ビジネスクラス車両に包み込み式座席を採用し,フルアクティブ制振制御装置の導入による揺れの抑制や全席コンセントの設置など,快適性を大幅に向上させている.
このほか,フルカラー液晶ディスプレイによる上下2段の案内表示や,荷物置き場の全車両設置,授乳室への洗面台・コート掛け・ベビーシートの新設,車椅子スペースの増設など,利便性やバリアフリー設備も充実させている.
▲ロールアウトセレモニーのようす
※日立製作所執行役専務・ジュゼッペ・マリノ氏(左)と台湾高鐵董事長・史哲氏
「N700ST」全12編成(144両)は,2028(令和10)年末までに営業運転へ導入される予定で,車両数の増強により,ピーク時には現行と比較して約25%の輸送力向上が見込まれている.
画像提供:日立製作所













