JR東日本仙台支社では,同社で初めてとなる新しい削正方式のレール削正車を2編成導入し,2021(令和3)年10月から東北本線 宇都宮—盛岡間で運用を開始したと発表した.
新形レール削正車は,専用の金属チップを用いてカンナのようにレール頭面を削る「ミリング車」(削正作業)と,前後に摺動する砥石で研磨することでレール頭面を滑らかにする「グラインディング車」(仕上げ作業)の2台で1編成となっている.
回転する砥石をレール頭面に押し当てて削正する従来の方式に比べ,1回で削正できる深さが0.3mm〜2.0mmと大きいことが特徴で,火花が発生しないため,散水も不要となる.なお,ミリングホイールによる削正方式はJR東日本では初めての導入で,摺動式グラインディング装置は日本で初めての採用となる.
レールは列車が繰り返し走行することにより,レール頭部の表面層(レールと車輪が接触する部分)には金属疲労が蓄積し,レールの劣化に進展する.新形レール削正車の導入により,レールと車輪の接触部に生じた劣化の層を削り取ることでレール全体の劣化を防ぐことや,レール交換頻度の抑制を図ることができる.またレール交換は人力作業が主体で,重量物を扱うことから作業員の負担が大きいため,レール交換作業そのものを減らすことで鉄道工事における働き方改革を進める.
写真・画像はJR東日本仙台支社のニュースリリースから