東武鉄道は,宇都宮線南宇都宮駅舎のリニューアル工事が完了したと発表した.
今回のリニューアル工事では,宇都宮市や地元住民などの協力を得ながら,同駅が開業した1932(昭和7)年からある貴重な大谷石の壁面を補修した.また,新たに大谷石の壁面を増設することで,全体のデザインが統一されている.
青緑色の洋風瓦は,開業当時の釉薬色を再現したうえで,ふき替えを行なった.内外装の塗装個所については,塗膜調査と分析を実施し,開業当初の色合いに塗り直している.特徴的な破風板は,宇都宮市宮原球場の最寄駅であることにちなみ,バットとボールを模した開業当初のデザインに修復された.
大谷石は地元の宇都宮市大谷町で産出される石材で,古くから外壁や塀などの建材として使用されているが,2018(平成30)年5月には文化庁が認定する日本遺産として選定され,南宇都宮駅も構成文化財として大谷石文化の一端を担っている.なお,待合室には,宇都宮市や東武博物館と協力し,大谷石の文化や魅力の発信を目的としたパネルが設置されている.
写真はいずれも東武鉄道のニュースリリースから