日立製作所は,2016(平成28)年3月に三菱重工業,住友商事と共同でタイ国鉄(State Railway of Thailand,以下:SRT)から受注したバンコクレッドラインプロジェクト向けの鉄道車両の第1編成(6両)と第2編成(4両)が完成し,出荷を開始したと発表した.
近年,タイでは自動車の利用増加による道路渋滞や大気汚染が深刻な問題になっていることから,低炭素かつ大規模輸送を実現する交通インフラの構築が求められていた.バンコクレッドラインプロジェクトは,タイ政府が進める大規模事業計画のひとつで,バンコク市中心部のBang Sue(バンスー)駅を起点とし,北に26.4km,西へ14.6kmにわたる新しい鉄道路線である.北線では日本政府からタイ政府へ供与される円借款を利用し,西線ではタイ政府自己資金にて建設が進められている.
出荷された車両は,2019(令和元)年10月にタイに到着後,2020(令和2)年1月から走行試験を開始する予定.日立製作所では,安全で高い信頼性を持つ低炭素の大規模交通・輸送システムを実現する鉄道車両を提供することで,タイの持続的な成長に貢献していくとしている.
なお車両は,2020(令和2)年6月までに全25編成(130両)が出荷される予定.
写真:日立製作所ニュースリリースから