東京地下鉄,東武鉄道,佐川急便,日本郵便,ヤマト運輸は,東京メトロ有楽町線・東武東上線において,既存の鉄道施設を活用した物流実証実験を共同で実施すると発表した.
この実験は,物流に関する交通渋滞,二酸化炭素排出量の削減,トラックドライバー不足などの社会的課題の解決策として想定されている,旅客鉄道の輸送力を活用した貨物輸送に関するもの.「拠点間輸送」と「拠点~駅間輸送」の2パターンの実験を行なう.「拠点間輸送」では,物流各社の拠点からトラックで模擬荷物を新木場車両基地に搬入し,東京メトロ10000系の1両に荷物を積載.有楽町線・東上線にて実験専用ダイヤで走行し,和光車両基地または森林公園検修区に到着した列車から荷物を下ろし,トラックで物流拠点に搬出する.「拠点~駅間輸送」では,物流各社の拠点からトラックで模擬荷物を新木場車両基地に搬入し,東京メトロ10000系の1両に荷物を積載.有楽町線にて実験専用ダイヤで走行し,新富町,銀座一丁目,有楽町の各駅で,到着した列車から荷物を下ろし,駅構内を経由して地上まで搬送する.
実験は,2016(平成28)年9月から10月にかけて,合計10回行ない,各作業工程における所要時間・人員数,安全性確保のための人員配置,作業効率性や安全性に資する機器,施設・設備等の必要性と規模,旅客輸送への影響などを把握する予定.
写真:東京メトロ10000系 百々貴俊撮影 和光市にて 2016-8-12