JR東日本とJR西日本は,北陸新幹線の金沢開業にむけて新形新幹線車両を共同開発すると発表した.JR東日本が導入する車両はE7系,JR西日本が導入する車両はW7系となる.
E7系・W7系は12両編成で,E5系に続き「グランクラス」が導入される.グランクラス車両にはフルアクティブサスペンション,そのほかの車両にはセミアクティブサスペンションを搭載し,より乗り心地の良い車両とするほか,バリアフリー設備の充実や客室への電源コンセント設置,車内のすべての洋式便所に温水洗浄機能付便座を設置するなど,サービス設備をより充実する.
車両のトータルコンセプトは「大人の琴線に触れる『洗練さ』と心と体の『ゆとり・解放感』」.『洗練さ』は,日本の伝統と最新技術の融合により新たな価値を生むことで表現し,『ゆとり・解放感』は,和風の空間に集うことで得られる心地よさで表現する.これらに共通しているキーワードを「和」とし,首都圏と北陸新幹線沿線を結び,日本の伝統文化と未来をつなぐという意味から「和の未来」を車両のデザインコンセプトとしている.
エクステリアデザインは,高速で走行するための造形と日本の伝統的な色使い,新幹線が走行する沿線の風景を融合させ,スピード感と精悍さを表現し,先頭形状は,One-motion line (ワンモーションライン シンプルな流線形)とネーミングされている.車体上部色を空色,車体色をアイボリーホワイト,車体中央の帯色は銅色(カッパー)および空色となる.
インテリアデザインでは,グランクラスは,伝統を感じる空間と先進の機能を持つシートがお互いを高めあうことで,居心地の良い,ゆとりある空間を感じられるよう演出.グリーン車は,日本の伝統的な様式美とモダンな感覚とをアレンジすることで,落ち着きや気品を感じられるよう演出.普通車は,旅の期待感やワクワク感を感じながら,少しシックで大人の雰囲気を楽しめるように演出する.
E7系は2013(平成25)年秋に,W7系は2014(平成26)年春に第1編成が落成する予定.