首都圏の私鉄で活躍する1990年代生まれで,全車健在のベテラン形式を探る連載の3回目.シリーズ名の「知見乗写」とは,鉄道ファンならば会得したい「知る」,「見る」,「乗る」,「写す」の4要素を並べた造語で,その視点から今回は東急世田谷線の300系を取り上げることにいたしました.新しいと車両と思っていたこの300系も登場からすでに20年あまりが経過,ベテランの域に入ってきました.また,10本20両のみの小所帯ではありますが,編成ごとに異なる塗色で,一部には車体構造にも相違が見られます.短区間の住宅街を走っているので,たいへん身近な存在であり,逆に注目度は薄れがち.ぜひ本稿をご覧いただき,世田谷線めぐりにお出かけください.