鉄道ピクトリアル4月号別冊.
戦後の日本で,電車が大きく躍進するきっかけとなった車両が80系でした.同系は増備の途中で車体正面の意匠変更され,のちに日本各地の鉄道車両に採用された「湘南顔」が誕生したわけですが,同系と,同じく「湘南顔」を持った通勤,中距離列車用の電車,70系にまつわる記録を中心として,1950年代から1970年代までの『鉄道ピクトリアル』『電気車の科学』に掲載された記事から,資料的な価値の高いものを選抜し,まとめ直したものが本巻です.当時の国鉄の電車,とくに80系や70系に興味を持たれる方は,見逃すことができない一冊にまとまっています.茶色1色の塗色をまとった70系,いわゆる「茶坊主」が東京駅に入線したときの光景の写真に,思わず目が留まってしまいました.