三菱大夕張鉄道保存会では，夕張鉄道の協力により，2010（平成22）年に引き続き産業遺産や廃線跡を巡るバスツアーを実施します．
　夕張川上流部に位置する夕張市鹿島地区は現在建設工事の進む夕張シューパロダムにより，やがて水没する運命にあります．同地区は明治末期に開発された大夕張炭鉱の移転により昭和初期から発展し，人口2万の炭鉱集落として栄えました．また，そこで掘り出された石炭は三菱大夕張鉄道（1911～1987年）や国鉄夕張線（現石勝線支線・1982年～）で全国の消費地に運ばれ日本の近代化を支えました．2011（平成23）年秋には国道の切替えも予定されていて，三菱大夕張鉄道廃線跡の南大夕張以北の探訪も困難が予想されています．
　第二回となる三菱大夕張鉄道保存会企画による「夕鉄バスで行く・夕張廃線跡ツアー」は，往路は野幌・栗山など夕張鉄道（1926～1975年）の経路をたどり夕張市に入り，ツアーにあわせて特別開館されるSL館（夕鉄14・三菱大夕張No.4など），南大夕張駅跡で保存車両（ラッセル車キ1・客車スハニ6など）を見学し，復路はずり山の麓にひっそりと残る三菱大夕張炭鉱坑口から，旭沢橋梁や森林鉄道の三弦橋を見学，石炭が掘り出され運ばれた鉄路をたどり安平町鉄道資料館（旧追分町・D51 320）を見学します．