2015(平成27)年4月30日(木),鹿児島市交通局電車(以下鹿児島市電)の前身である鹿児島電気軌道株式会社の1912(大正元)年12月1日の開業以来,電車車庫として,日夜,鹿児島市電の安全運行を支えてきた鹿児島市高麗町の電車車庫が約102年5ヵ月の歴史に幕を下ろしました.
当日は,朝の通勤・通学ラッシュが終わり,車庫へ帰庫する電車の一部から,この高麗町の電車車庫には戻らず,新車庫である鹿児島市上荒田町の神田車庫に入庫していき,これにともない日中「回送車」と書かれた方向幕を掲げた電車が,交通局前→郡元→神田,あるいは交通局前→高見馬場→神田間を走行する場面が多く見られました.
16時30分からは『市電最終出庫便見送り式』が高麗町交通局電車車庫で開催され,県内外から約1000人が来場.営業電車として最後に出庫する記念電車には,鹿児島市電最古参車で今年還暦を迎えた501号車が充当されました.なお,この電車のみ「ありがとう高麗町」と書かれたヘッドマークが装着されました.
16時53分,森博幸鹿児島市長の出発合図とともに,静かに動き出した501号は多くの人の「ありがとう」の言葉に囲まれて出庫し,交通局前電停から一般客を乗せて一路鹿児島駅前へと向けて走り出しました.その後,予備車として控えていた電車も「回送車」幕を掲げ,これに続けて神田新電車車庫へと回送されていきました.神田新車庫に入庫した電車は,5月1日(金)からの新ダイヤ,新ルート運転に備え,方向幕や車内放送の音声合成の設定などの変更が実施されています.
写真:高麗町車庫にて(許可を得て撮影) 2015-4-30
投稿:冨吉 郷太