近畿車輌製「ドーハ メトロ」車両がドイツの2つのデザイン賞を受賞

近畿車輌製「ドーハ メトロ」車両がドイツの2つのデザイン賞を受賞

近畿車輌は,同社がデザインしたカタールレール(カタール鉄道会社)向けドーハメトロ用車両が,ドイツの国際的なデザイン賞である「iF デザイン賞」と「Red Dot デザイン賞」を受賞したと発表した.
 「iF デザイン賞」は,ハノーバーを拠点にするドイツ最古の独立デザイン組織である「国際iFフォーラムデザイン」が主催し,60年以上の歴史を有する賞で,「Red Dot デザイン賞」は,ドイツ,エッセンにあるノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催する,国際的なプロダクトとコミュニケーションのデザイン賞である.

 この車両は近畿車輌デザイン室とドイツのデザイン事務所「トリコンデザインAG」が共同でデザインしたもので,カタールレール向けの新規設計車両である.このプロジェクトは三菱重工業,三菱商事,日立製作所,タレスと近畿車輌の5社からなる共同事業体として受注したもの.
 車両デザインは内外装ともに,カタールの伝統的な建築や工芸品の意匠を取り入れることで,同国とその首都ドーハに住む人々の文化的アイデンティティを表現したほか,外装デザインの選定はカタール国の首長が行なった.また,先頭形状はアラビアの馬をモチーフにデザインされ,車両のスピード感と無人運転システムの知性を表現している.側面には従来の都市鉄道用車両には見られない曲線形状の窓を配し,先頭から編成全体にかけてのダイナミックな印象を引き立てて車両を特徴づけているほか,外装色は現地の環境に着想を得て,塗分けはドーハメトロCIの一部として駅舎の建築に用いられた形状テーマ(ヴォールト空間)をアレンジしたものになっている.
 内装レイアウトではカタール社会の慣習を尊重した仕様書の要求に基づき,異なる客層を想定した「ゴールドクラス」,「ファミリークラス」,「スタンダードクラス」の3種類の客室を設けた.「ゴールドクラス」は,Majlis(マジリス)と呼ばれる伝統的な応接室や集会場の空間レイアウトを取り入れて,1人掛けの独立した座席が左右の壁に沿って向かい合う形で配置されており,どの席にも容易にアクセスできる利便性と快適性を兼ね備えた,高水準の豪華さと快適さを求める乗客向け.「ファミリークラス」は,女性と子供のための客室で,子供でも大人でも使いやすいようデザインした特別な座席「ファミリーシート」を一部に設置している.「スタンダードクラス」は,車内を広く使えるロングシート配置の客室となっている.また,すべての客室において安全性と快適性を追求し,車両情報やエンターテイメント,路線図を表示する大形の情報画面も備えている.
 ドーハメトロは,第1期として2019年にレッドライン・ゴールドライン・グリーンラインの3路線(合計37駅)が開業予定で,各路線とも1時間あたり8000人以上を輸送できる交通機関となる予定.

写真:近畿車輛のWEBサイトから 

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