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JR東海,ハイブリッド方式による次期特急車両を新製へ

JR東海,ハイブリッド方式による次期特急車両を新製へ

JR東海は,現在,特急“ひだ”・“南紀”に使用しているキハ85系の取替えを見据え,同社では初となるハイブリッド方式を採用した次期特急車両(試験走行車)を新製すると発表した.同社では,これまで,ハイブリッド方式に必要な技術開発を行なってきたが,2019(平成31)年末から試験走行車により,技術の確立に向けた試験走行を行なう.これにより,ハイブリッド方式の鉄道車両では国内初の最高速度120km/hでの営業運転を目指すとしている.
 次期特急車両は,エンジンで発電した電力とブレーキ時などに蓄電池に貯めた電力を組み合わせて使用し,モータを回して走行する.モータ走行により気動車特有の回転部品が不要となり,電車と同様の機器を採用することで,メンテナンス時の負荷を軽減するとともに,コスト低減を図る.モータ走行により気動車特有のギアチェンジが解消され,乗り心地が向上するほか,エンジン数の削減(1両あたり2台→1台),駅停車時のアイドリングストップの採用などにより,静粛性や乗り心地が向上する.また,蓄電池に貯めた電力を加速時や停車時に使用することで,燃費が約15%向上する見込み.
 試験走行車として1編成(4両)を新製し,2019(平成31)年末の完成後,1年間を目途に次期特急車両に必要なハイブリッド技術の確立に向けて基本性能試験,長期耐久試験などを行なう.量産車は2022(平成34)年度を目標に投入する方向で検討が進められている.

写真:ハイブリッド方式による次期特急車両の外観イメージ(JR東海のニュースリリースから) 

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