この連載では,これまで「東京鉄道遺産をめぐる」を手がけた小野田滋氏が執筆,その範囲を全国へ広げ,車両から構造物まで,歴史的価値が高いものを深く掘り下げていきます.

鉄筋コンクリート桁の進化
-内房線・山生橋梁-

今回は,内房線江見─太海間の山生橋梁をとりあげます.鉄筋コンクリート製の橋梁は,1907(明治40)年に完成した山陰本線の島田川暗渠が国内初ですが,径間は1.83mでした.その後,鉄筋コンクリートの技術が発展していく試行錯誤の時代に,鋼製プレートガーダーの領域である支間9.1mクラスの橋梁として1924(大正13)年に誕生したのが,山生橋梁です.太平洋に面した厳しい環境ながら,現在も建設当時の姿を保っています.大規模構造物へ発展していく過程で誕生した山生橋梁をご確認ください.

2018年7月号
発売日:2018年5月21日
特別定価(本体1139円+税)

「よん・さん・とお」をめざして(下)
─中央本線・新桂川橋梁─

前月に引き続き,中央本線鳥沢─猿橋間の新桂川橋梁をとりあげます.線路と桂川の河床との高低差が大きいのが新桂川橋梁の特徴ですが,橋脚や橋梁部分がどのようにして作られたのか,建設時の写真や図面とともに,詳述しています.建設当時は日本最大の支間長を誇り,現在でも土木構造物として見どころが多い新桂川橋梁.撮影に行かれた際には,そんな歴史にも,想いをはせてみてください.

2018年6月号
発売日:2018年4月21日
定価(本体1046円+税)

「よん・さん・とお」をめざして(上)
─中央本線・新桂川橋梁─

E353系の登場で注目を集める中央本線.その鳥沢─猿橋間にある新桂川橋梁は,有名スポットのひとつとなっています.今回はその新桂川橋梁を取り上げる1回目として,同橋梁を含む新線計画から,設計にいたる部分を詳述しています.新線区間は旧線を短絡するルートとして,1968(昭和43)年の「ヨンサントオダイヤ改正からの使用開始を目指して計画されたもので,新桂川橋梁は当時の鉄道橋梁として最大支間を誇る存在として,たいへん意味深い存在となっています.

2018年5月号
発売日:2018年3月20日
定価(本体1048円+税)

連載の補遺-その2-

今回は,これまでの連載の中から,掲載後に新たに発見された写真や資料,判明したことなどをまとめた,補遺の2回目となります.三信鉄道天竜川橋梁,三信鉄道建設工事殉職碑,岩手軽便鉄道宮守川橋梁,小名木川駅,富山線建設に活躍した機関車を紹介しています.お手持ちの各記事掲載号と合わせてご覧ください.

2018年3月号
発売日:2018年1月20日
定価(本体1046円+税)

原位置を維持し続ける明治時代のトラス橋
-高山本線・新神通川橋梁-

今回,紹介する高山本線の新神通寺川橋梁は,明治時代に建設されたトラス橋でありながら,現在でも建設当時の場所で使用され続けている,全国的に見てもたいへん貴重な存在です.現在は,あいの風とやま鉄道(←北陸本線)と北陸新幹線の橋梁にはさまれているため,全景を見ることはできませんが,その歴史を感じていただくとともに,当地に架かる3橋の中ではもっとも古い橋梁なのに,名称に「新」がついている点にも注目してご覧ください.

2018年2月号
発売日:2017年12月21日
特別定価(本体1139円+税)

東海道本線・瀬田川橋梁(上り内外線)
5径間連続PC桁の機能美

東海道本線の瀬田川橋梁(上り内外線)の沿革,設計,施工について詳述しています.もとは,現在の下り内外線が使用する上路プレートガーダのみでしたが,複々線化の際に新規橋梁を建設することとなり,5径間の連続PC桁が誕生しました.連続PC桁は,それまで2〜3径間が一般的だったところ,瀬田川橋梁(上り内外線)では5径間を採用,のちの橋梁技術発展に,大きく貢献しました.技術面や機能面のほか,構造物としての美しさも持つ姿をご堪能ください.

2017年12月号
発売日:2017年10月21日
特別定価(本体1139円+税)

富士山の眺望
-東海道本線・富士川橋梁(上り線)-

東海道本線富士川橋梁を取り上げる3回目は,現在の東海道上り線を紹介します.当初は複線化の際に架設されたピントラスでしたが,老朽化による架替えが行なわれることとなり,さまざまな検討の結果,現在の中路連続プレートガーダが採用されます.なぜ,下り線と同様のトラスではなく,中路連続プレートガーダを採用したのか,さらに,プレートガーダを現地に運ぶ方法や,橋梁独特の問題を解決するために採用された最新技術についても詳述した,見どころが多い記事になっています.

2017年11月号
発売日:2017年9月21日
定価(本体1046円+税)

災害を乗り越えて
-東海道本線・富士川橋梁(下り線)[2/2]-

9月号に引き続き,東海道本線富士川橋梁(第2回目)をお届けします.今回は現在の下り線の後編で,1914(大正3)年の水害復旧工事から,新上り線の建設,そして,1982(昭和57)年の水害とその復旧工事までをまとめています.一時期,上下線とも曲弦トラスで統一された姿の時代がありましたが,昭和57年の水害で,橋脚の流出やトラスの落橋という状態になってしまいました.現在,下り線の一部が平行弦ワーレントラスになっているのは,この復旧工事によるもので,たび重なる災害を乗り越えて現在に至る姿をご確認ください.

2017年10月号
発売日:2017年8月21日
定価(本体1046円+税)

災害を乗り越えて
─東海道本線・富士川橋梁(下り線)[1/2]─

9月号から数回に分けて,東海道本線の富士川橋梁をとりあげる予定で,まず第1回目として,下り線のその1をお届けします.富士川橋梁(下り線)は,明治22年に建設された橋梁で,トラス橋の架け替えが必要となるような水害を2回経験しています.今回は,初代富士川橋梁のルート選択から建設,そして,大正3年の災害までをまとめました.地図で見ると少し遠回りしているのですが,このルートとなった理由や,313系など最新車両の足もとを現在も支えている,明治時代の建設当時の橋脚について詳述しています.

2017年9月号
発売日:2017年7月21日
特別定価(本体1139円+税)

世界初の鉄道専用斜張橋
-三陸鉄道・小本川橋梁-

「日本の鉄道遺産」では,日本初などのエポックメーキングといえる構造物を取り上げてきましたが,今回は世界初のものとなります.取り上げたのは,世界初の鉄道専用斜張橋である,三陸鉄道の小本川橋梁です.斜張橋で思いつくのは,北陸新幹線の第二千曲川橋梁ですが,小本川橋梁は斜材(主塔と主桁を結ぶ部材)もPCコンクリートであることが特筆されます.世界的に見てもめずらしい鉄道専用斜張橋の設計や施工,そして現在の姿をご確認ください.

2017年8月号
発売日:2017年6月21日
定価(本体1046円+税)

山手線の踏切に架かる跨線道路橋
-中里跨線道路橋-

駒込─田端間の第二中里踏切は「山手線で唯一の踏切」として知られています.この区間は山手線と山手貨物線(湘南新宿ライン)が並走していますが,貨物線が一段低いところを走っているため,山手線の踏切に続く道路は,貨物線を跨ぐ跨線道路橋となっています.この中里跨線道路橋は,山手貨物線の歴史に関連して,よく見ると特徴的な形状となっているのですが,なぜそうなったのかをここで解説しています.記事を読んでから現地を見ると,「なるほど」と感じられるはずです.

2017年6月号
2017年4月21日発売
定価(本体1046円+税)

下町に残る貨物駅の面影

本誌2017年2月号では,越中島線の構造物について紹介しましたが,今回は同線の終端駅として開設された小名木川駅について紹介しています.小名木川駅の最大の特徴は,運河に面しており,舟運との連絡のために入船場が設けられたことです.現在では,入船場は埋め立てられてしまいましたが,計画時から現在までを詳述しています.さらに,周辺にある関係施設にもふれており,とくに,越中島線と城東電気軌道の記述は必見です.この記事をもとに街歩きしてみたくなるような,とても興味深い内容です.ぜひご一読ください.

2017年4月号
2017年2月21日発売
定価(本体1046円+税)

貨物線の赤煉瓦
─越中島線の構造物をめぐって─

今回は,亀戸から小名木川経て越中島へ至る貨物線(越中島線)を取り上げます.同線は,すでにコンクリート構造物へ移行済みの昭和時代の構造物ながら,煉瓦構造物が存在するという,たいへんめずらしい路線です.線内の各煉瓦構造物の一覧や詳細解説はもちろん,煉瓦が使われた背景などを紹介しています.東京都内に存在する,日本の鉄道用煉瓦構造物としては晩年に位置づけられる姿をご覧ください.

2017年2月号
2016年12月21日発売
特別定価(本体1139円+税)

雄物川を渡る中路トラス
-羽越本線・雄物川橋梁-

羽越本線の雄物川橋梁を紹介いたします.雄物川橋梁は,あまり採用例がない「中路トラス」.なぜこのような特殊な形式を採用したのかは,この橋梁の歴史に大きく関係しています.採用の経緯から,実際の工事過程まで,詳細な解説となっていますので,ぜひ誌面でご確認ください.

2016年11月号
2016年9月21日発売
定価(本体1048円+税)

中央東線の鉄道遺産ア・ラ・カルト -下編-

中央東線の鉄道遺産を訪ねる3回目となる今回は,岡谷付近から松本付近までをとりあげます.とくに松本に関しては,蒸気機関車時代には必要不可欠だった設備に関する,たいへん興味深い記述があります.これまで,あまり注目されなかったことなのですが,あらためて取り上げると,目からうろこが落ちる内容をぜひ誌面でご確認ください.

2016年10月号
2016年8月20日発売
定価(本体1046円+税)

中央東線の鉄道遺産ア・ラ・カルト─中編─

今回は,勝沼ぶどう郷駅付近から,茅野駅付近までにあるトンネル,橋梁,跨線人道橋などの鉄道遺産を紹介します.新線に切換えられた後,別の施設になったトンネルや,新線の車内から,現在も見ることができる旧線の橋梁など,身近なものもありますので,近くへ訪問予定の方は,参考にしてみてください.

2016年9月号
2016年7月21日発売
特別定価(本体1139円+税)

中央東線の鉄道遺産ア・ラ・カルト─前編─

E353系の登場を機に,盛り上がりを見せそうな中央本線(中央東線)についてとりあげましたが,構成を少し変えて,鉄道遺産の数々を東京方から順番に,ア・ラ・カルト形式で紹介していきます.第1回目の今回は,東京から大月あたりまで,4ヵ所の構造物をとりあげました.日ごろ,目にすることが多い構造物なので,その成り立ちも知ると,興味や愛着が深まります.

2016年8月号
2016年6月21日発売
定価(本体1046円+税)

山本卯太郎と山本式跳開橋の系譜

2016年3月号で,四日市市の末広橋梁を紹介しました.末広橋梁は山本卯太郎の設計によるもので,山本卯太郎は,このほかにもいくつかの跳開橋を設計しています.今回は「山本卯太郎と山本式跳開橋の系譜」と題して,山本卯太郎の人物像を追いながら,日本における可動橋の発達史を詳述しています.なかなか目にすることができない跳開橋の写真も,多数掲載しましたので,そちらも注目です.

2016年5月号
2016年3月19日発売
定価(本体1046円+税)

三陸鉄道の象徴 −北リアス線・大沢橋梁−

三陸鉄道の撮影地としてしばしば登場する,白井海岸─堀内間にかかる大沢橋梁を紹介します.北リアス線には,試作的なコンクリート橋梁があり,これまでも紹介していますが,今回の大沢橋梁もその一つです.設置場所の地理的条件からコンクリートアーチが採用され,日本初の逆ランガー橋として完成しました.施工条件が限られ,普及しませんでしたが,形状の選択から施工,完成に至るまでのようすをご確認ください.

2016年4月号
2016年2月20日発売
定価(本体1046円+税)

国指定重要文化財となった跳開橋 −四日市臨港線・末広橋梁−

四日市駅から分岐して,四日市港の埋立地へ向かう路線上にある末広橋梁を紹介します.末広橋梁は跳開橋で,可動状態,かつ現在でも貨物列車が1日数往復する点で,特筆すべき橋梁の一つです.跳開橋の設計や構造はもちろん,港湾開発などにも触れられた内容になっています.

2016年3月号
2016年1月21日発売
定価(本体1046円+税)

充腹式アーチ橋の到達点 −只見線・第四平石川橋梁−

鉄筋コンクリート製のアーチ橋は,側面に空間がある開腹式と空間がない充腹式に区分できます.今回は,充腹式アーチ橋として日本で最大支間となる,只見線の第四平石川橋梁を紹介します.アーチ橋の初期は充腹式が主流でしたが,自重軽減や材料の節約から,開腹式へ移行していきます.日本で最大支間のアーチ橋誕生の歴史をご確認ください.

2016年2月号
2015年12月21日発売
特別定価(本体1139円+税)

日本最初のPCトラス橋 −三陸鉄道・太田名部架道橋−

三陸鉄道の架かるPCトラス橋の中から,前回は最後に完成した槙木沢橋梁を紹介しましたが,今回は最初に完成した太田名部架道橋を紹介します.PCトラス橋が発展して,各地に数を増やしていれば,田名部架道橋もそのパイオニアとして注目されていたことでしょう.PCトラス橋の復権も期待しつつ,田名部架道橋の成り立ちをご確認ください.

2015年12月号
2015年10月21日発売
特別定価(本体1139円+税)

孤高の連続PCトラス −三陸鉄道北リアス線・槙木沢橋梁−

三陸鉄道北リアス線の槙木沢橋梁を紹介します.槙木沢橋梁は日本では珍しいPCトラスの鉄道橋で,連続トラス橋となると,さらに希少性が高まる存在です.トラス橋というと,鋼鉄製のものを想像しますが,三陸鉄道の建設経緯から,PCトラス橋が採用された背景までをまとめた記事をお楽しみください.

2015年11月号
2015年9月19日発売
定価(本体1046円+税)

アメリカ系トラスの風格 −樽見鉄道・揖斐川橋梁−

今回は,アメリカ系ピントラスを象徴する橋梁として,樽見鉄道の揖斐川橋梁を紹介します.揖斐川橋梁は,御殿場線(丹那トンネル開通以前の東海道本線)から移設されたもので,本線仕様の堂々たる風格を感じます.現在の揖斐川では,樽見鉄道と東海道本線の橋梁を同時に見ることができます.この記事をご覧いただくと,両者の違いにも興味を感じることができるでしょう.

2015年10月号
2015年8月21日発売
定価(本体1046円+税)

夜空を跨ぐアーチ橋 −釜石線・達曽部川橋梁/宮守川橋梁−

釜石線の達曽部川橋梁と宮守川橋梁を取り上げます.宮守川橋梁は,"SL銀河"との組み合わせや,ライトアップを行なうアーチ橋としてご存知のことでしょう.峠越えを克服するまでの釜石線の歴史から始まり,時代背景などからコンクリートアーチ橋が採用された理由を解説します.これまでの認識を変えるような事柄も隠されています.その内容は,ぜひ誌面でご確認ください.

2015年9月号
2015年7月21日発売
特別定価(本体1139円+税)

3線のランガー橋 −東海道貨物線・桜堀橋梁−

一般的な鉄道構造物は,単線と複線を原則として設計されています.複線以上の場合は,それらを組み合わせて使用するのですが,今回紹介する東海道貨物線の桜堀橋梁は,全国でもめずらしい3線2主構のランガー橋となっています.建設の背景を川崎市電との関係もふまえながら,貴重な写真とともに解説している本稿は必見です.桜堀橋梁周辺にはその特徴的な3線構造を見渡せる場所がなく,旅客列車も通らないため,ぜひ,誌上でお楽しみください.

2015年8月号
2015年6月20日発売
定価(本体1046円+税)

異端のダブルワーレントラス −木津川橋梁・岩崎運河橋梁−

現在も大阪環状線の木津川橋梁と岩崎運河橋梁として使用されている,ダブルワーレントラスをとりあげました.標準的なトラス橋は端柱を斜めに,上弦を曲弦トラスにすることが多いなか,この二つの橋梁は端柱を垂直に,上弦と下弦を平行にした篭のような形態が特徴です.さらに,大阪臨港線から大阪環状線への変化の様子も紹介していますので,あわせてご覧ください.

2015年6月号
2015年4月21日発売
定価(本体1046円+税)

「下駄っ歯」と複線化 -平成筑豊鉄道の構造物群−

あまり,聞くことがない「下駄っ歯」という言葉.これは煉瓦などの組積造の構造物に用いられる,表面が凹凸になるように仕上げた技法を指します.今回はこの技法の構造物が多く残る平成筑豊鉄道を訪れ,その特徴をはじめ,凹凸に仕上げた理由に迫ります.単なる装飾が目的なのか,それとも何か意味があるか,必見です.

2015年5月号
2015年3月21日発売
定価(本体1046円+税)

黒潮に架かる開腹アーチ橋 −土讃線・第二領地橋梁−

土讃線の土佐新荘―安和間にある第二領地橋梁を紹介します.「開腹アーチ橋」と呼ばれる鉄筋コンクリートのアーチ橋で,昭和13年に完成しました.アーチ橋というと,石材や煉瓦による「充腹アーチ橋」が思いつきますが,自重が重くなることと,外観が重厚かつ古典的なものになる特徴がありました.鉄筋コンクリート技術の発達により,軽快感のある開腹アーチ橋が可能となりました.その後の大径間アーチ橋の基礎となった第二領地橋梁の歴史をご確認ください.

2015年4月号
2015年2月21日発売
定価(本体1046円+税)

レオンハルトの三兄弟 −東海道新幹線/東海道本線/愛知環状鉄道(旧岡多線)・矢作川橋梁−

長野県から愛知県を経て三河湾にそそぐ矢作川の下流域には,海側から東海道新幹線,東海道本線,愛知環状鉄道(旧岡多線)の各橋りょうがあります.これらは,バウル・レオンハルト工法という初期のプレストレストコンクリート技術を象徴する構造物です.今回はこの「三兄弟」の建設経緯など,詳しく紹介しています.

2015年3月号
2015年1月21日発売
定価(本体1046円+税)

ディビダーク工法の導入 −北上線・鷲の巣川橋梁−

湯田ダム建設にともなう,北上線の線路付替工事で誕生した廻戸川橋梁については,2014年10月号で掲載しました.この工事では,鉄道橋梁技術にとって重要な役割を持つものが,もう一つ架設されています.それが,今回紹介する「鷲の巣橋梁」です.ダム湖ができる前は深い谷だったため,足場を使用しない工法が採用されました.現在はダム湖として灌水しているため,橋脚の全ぼうを見ることはできませんが,PC橋梁が鋼橋の領域に達した歴史のひとコマをお楽しみください.

2015年2月号
2014年12月20日発売
特別定価(本体1139円+税)

新幹線に連なる系譜 −飯田線・天竜川橋梁−

飯田線の中部天竜―佐久間間にかかる天竜川橋梁をとりあげます.かつての鉄骨接合は,リベット接合が主流でした.溶接接合技術も発達していきましたが,一方で慎重論もあり,本格的採用は戦後になってからのことです.天竜川橋梁は,溶接接合による連続トラス橋梁として,標準的なスタイルを確立,その後,新幹線の長大橋梁の基礎となりました.その歴史の1コマをご確認ください.

2014年12月号
2014年10月21日発売
特別定価(本体1139円+税)

在来線から新幹線へ −新幹線の土木構造物の源流−

これまであまり紹介されてこなかった,新幹線で採用された土木構造物についての詳述です.その土木技術は,在来線で培われたものの集大成に相違なく,在来線の技術がどのように新幹線へ応用されたのか,貴重な写真とともに,小野田滋さんの解説で進めてまいりましょう.また,新幹線の実現には,世界銀行からの融資が大きく関わりましたが,ここで提出された資料の中に形式図が存在していました.このたいへん興味深い資料も合わせて掲載しています.

2014年11月号
2014年9月20日発売
特別定価(本体1139円+税)

新しい造形への挑戦 −北上線・廻戸川橋梁−

今回は北上線の廻戸川橋梁を紹介します.北上線岩沢―陸中川尻(→ほっとゆだ)間は,湯田ダム建設によってできる錦秋湖に水没する区間が発生するため,新線への付替えが行なわれました.その新線区間に建設されたのが廻戸川橋梁で,現地の環境から「方杖橋」と呼ばれるラーメン形アーチ橋が採用されました.横黒線と呼ばれた時代の貴重な写真も掲載しましたので,合わせてお楽しみください.

2014年10月号
2014年8月21日発売
定価(本体1046円+税)

天竜川をまたいだランガー橋 −旧佐久間ダム専用線・天竜川橋梁(中部大橋)−

飯田線に沿って流れる天竜川の佐久間ダム完成は,わが国の戦後復興期を代表する一大工事でした.このダム工事により国鉄飯田線の佐久間―大嵐間の在来線は水没し,現在のこの区間は新たに敷設された新線なのです.表題のランガー橋は,その世紀の大工事を今にしのばせる遺産で,本編はこの橋りょうを通して工事の模様を浮き彫りにしています.

2014年8月号
2014年6月21日発売
定価(本体1046円+税)

国指定重要文化財となった昇開橋 −旧佐賀線・筑後川橋梁−

旧国鉄佐賀線の筑後川橋梁を紹介します.この橋は,現在は国指定の文化財にも指定されており,珍しい昇開式の鉄道橋として国内にある鉄道遺産の中でも認知度が高い存在です.昇開部のみ注目されますが,前後のプレートガーダの解説や,ルート選定なども含めて詳述していますので,筑後川橋梁全体のプロフィールをお楽しみください.

2014年7月号
2014年5月21日発売
特別定価(本体1139円+税)

長大化への第一歩 −赤穂線・吉井川橋梁−

今回は,赤穂線大富―西大寺間に架かる吉井川橋梁をご紹介します.昭和35(1960)年に完成した単線上路プレストレスト・コンクリート連続桁で,吉井川橋梁で試みられたバウル・レオンハルト工法は,大径間のPC橋梁を建設する技術としてドイツの特許に基づいて導入され,日本のPC技術の発展に大きく貢献しました.

2014年6月号
2014年4月21日発売
定価(本体1046円+税)

大阪環状線の象徴 −安治川橋梁−

今回は,大阪環状線西九条―弁天町間にある安治川橋梁を解説します.昭和36年,安治川橋梁の完成により,大阪環状線は全線開通となり,路線名のとおり,環状運転を開始しました.現在は,アーバンネットワークの一部として重要な役割を持つ安治川橋梁の成り立ちをお楽しみください.

2014年5月号
2014年3月20日発売
特別定価(本体1143円+税)

異端の鉄筋コンクリート橋梁 −天竜浜名湖鉄道・瀬戸橋梁−

鉄筋コンクリート製の橋梁技術を現代に伝える,天竜浜名湖鉄道の瀬戸橋梁を紹介します.それまでは鉄桁が主流でしたが,明治時代に実用化が始まった鉄筋コンクリート橋梁技術が,昭和に入って確立,瀬戸橋梁はその到達点として昭和13年に完成しました.現地の状況から,紹介されることが少ないのですが,まずは,記事でその歴史を感じてください.

2014年4月号
2014年2月21日発売
定価(本体1048円+税)

もうひとつの伊勢電の遺産 −立田川橋梁、木曽川橋梁、揖斐川橋梁(近畿日本鉄道)−

伊勢電気鉄道宮川橋梁(川端─宮川堤間)のトラス橋が,東海道本線豊橋駅構内の城海津跨線橋に使用されていることは,2013年11月号で紹介しましたが,このほかにも宮川橋梁として使用されていた3連のトラス橋が現存しています.現在も鉄道橋として用いられており,名阪間を結ぶ大動脈の一部として機能し,名古屋への延伸をめざしながら,実現に至らなかった伊勢電気鉄道の名を今に伝える遺産をご紹介しましょう.

2014年3月号
2014年1月21日発売
定価(本体1048円+税)

鉄道用可動橋の元祖 −和田旋回橋−

和田岬線の「和田旋回橋」は,日本初の鉄道用可動橋として建設されたもので,現存する最古の鉄道用可動橋でもあります.今回は,この「和田旋回橋」について,神戸港や兵庫運河の歴史をふまえながら,詳細に解説しています.さらに,兵庫運河に架かっていた神戸市電の跳開橋も紹介,現在まで続く歴史の深さを感じ取ってください.

2014年1月号
2013年11月21日発売
特別定価(本体1143円+税)

東海道本線を跨いだ伊勢電の遺産 −城海津跨線橋(豊橋駅構内)−

豊橋駅構内の名古屋方に,東海道新幹線と東海道本線をまたぐ跨線橋があります.これは城海津跨線橋といい,伊勢電気鉄道で使用されていた鉄道橋を跨線道路橋として転用したものです.転用の経緯から,同所に移設される際の工事状況,そして,新幹線開業時の改築のようすなどを紹介しています.

2013年11月号
2013年9月21日発売
定価(本体1048円+税)

新技術への挑戦 −信楽高原鐵道・第一大戸川橋梁−

これまで「東京鉄道遺産をめぐる」を手がけた小野田滋氏が執筆,その範囲を全国へ広げ,車両から構造物まで,歴史的価値が高いものを深く掘り下げていきます.初回は,わが国初の本格的プレストレストコンクリート(PC)鉄道橋りょうである,信楽高原鐵道の第一大戸川橋梁です.また,その工事に携わった,もと国鉄総裁の仁杉 巌氏のインタビューは必見です.

2013年10月号
2013年8月21日発売
定価(本体1048円+税)