中公新書 2312．鉄道に関してはまだまだ発展途上だった日本が「鉄道先進国」と呼ばれるようになるまで，その140年間における鉄道技術に関する進歩の過程をたどることができる一冊です．筆者は，日本における鉄道開通から鉄道建設，木造客貨車の製造，蒸気機関車，ディーゼル車，電車，保安，将来の技術まで，大もとの技術，原理をいかに楽しくわかりやすく説明するのに腐心され，国際的な関係や歴史感を織り込むことにも心を配られたとのことですが，本書でそれらはみごとに結実しています．鉄道技術を通観した書は意外に少ないことも手伝って，本書は鉄道趣味をより深いものにしてくれる「鉄道の教科書」として，書架に収めておく価値が大きいものと感じます．

著者	小島英俊
発行	中央公論新社
仕様	新書判 260ページ
定価	本体840円＋税
発売日	2015年3月24日
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